医療法人社団 慈恵会 新須磨病院

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病気

脊椎外来(くび・こし・せぼね)

診療科

頚椎(首)の病気について

脳神経外科

田中 宏知

2024/04/19
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頚椎症(変形性頚椎症)

頚椎の椎間板や椎骨が加齢に伴って変性/変形することで、頚部脊柱管や椎間孔が狭くなる状態です。
頚椎MRIで頚椎症の所見が認められても、症状が軽度であれば治療を必要としません。
※脊柱管とは、頚部では脊髄が通る管のことです。
 椎間孔とは、脊髄から枝分かれした神経(神経根)が通る部分です。

頚椎症性神経根症

加齢変化による頚椎症性変化(椎間板の膨隆・骨棘形成)によって、脊髄からわかれて上肢へゆく「神経根」が圧迫されて生じます。上肢の筋力低下がなければ、まずは手術をせずに投薬治療、経過観察を行います。筋力低下が生じた場合は、手術を考慮します。

症状

上肢の痛み、しびれ、筋力低下、などがみられます。

治療

薬物療法と手術に大きく分けられます。
薬物療法としては、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(ロキソプロフェンナトリウム、セレコキシブなど)、神経障害性疼痛治療剤(ミロガバリン、プレガバリンなど)が主に使われ、その他にやや強い薬としてトラマドール塩酸塩があります。

頚椎症性脊髄症

加齢変化による頚椎症変化によって、頚椎の脊柱管の中にある「脊髄」が圧迫されて生じます。
中等度以上の症状がみられた場合は、手術を必要とします。

症状

手指の巧緻運動障害(こまかい動きができない。ボタンをうまく締められない、箸やペンをうまく使えない、手に持ったものを落とすことが多くなった、など)、上肢のしびれ/筋力低下、歩行障害、などがみられます。

治療

上記のような症状が見られた場合は、手術を必要とします。
手術は後方から骨を切開し、人工骨を用いて脊柱管を拡大する方法、または前方から椎間板または椎体を削除して金属製の内固定材(ケージ)で上下の椎体を固定する方法の2種類があります。

頚椎後縦靭帯骨化症

椎体の後ろに存在する後縦靭帯の骨化・増大により、脊髄・神経根に圧迫障害をきたす疾患で、日本の指定難病になっています。遺伝が関与しており、東アジアの日本、韓国、中国に多く発生します。
神経根症、脊髄症のどちらを引き起こすこともありますが、脊髄症が多いです。

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