医療法人社団 慈恵会 新須磨病院

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歯科口腔外科

診療科

インプラント外来

歯科口腔外科

小林 正樹

2024/03/21
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インプラント義歯とは?

 失ってしまった自分の歯の替わりに、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を作製して噛み合わせを回復する治療法です。インプラントにもいろいろな種類がありますが、当院では日本メディカルマテリアル社により導入された純日本製のインプラントシステムを用いています。統計学的には10年残存率(10年間口腔内で機能する割合)は90%以上です。

インプラント義歯の適応は?

 歯がない場合で他の治療方法では不具合な例であれば一度ご相談ください。ただし骨の形や量、患者様の年齢や他のお病気の状態などを十分に考慮した上で適応かどうかを判断しています。従ってご希望があっても検査結果次第では治療が行えない場合があります。症例によっては人工歯根を埋入する前に骨を移植したり量を増やしたりする手術が必要な場合があります。この場合には全体の治療期間がさらに長くかかります。また部位によっては神経麻痺や副鼻腔炎のリスクが生じる場合がありますので術前には十分医師の説明を受けてください。


インプラント義歯の効果は?耐用性は?

 一般的には通常の入れ歯型義歯よりも咬合力が高まり咀嚼しやすくなります。しかしながら腫瘍等で顎の骨が大きく失われているような場合には必ずしも咀嚼機能が良くなるとは限りません。またインプラント義歯は決して永久的なものではありません。特に患者様ご自身の自己管理が重要です。日頃から丁寧な口腔清掃に留意し、硬い物の咀嚼はなるべく避け、定期検診は怠らないようにして下さい。人工歯根周囲に非可逆的な炎症が生じた場合にはやむを得ずインプラント義歯を除去する場合があります。極めてまれですがチタンに対するアレルギーのある場合にもインプラント義歯を除去する場合があります。このような場合の治療費の払い戻し等には一切応じられませんのであらかじめご了承ください。

インプラント義歯の構造

●上部構造補綴物(人工歯)
インプラントの上部構造補綴物は、白い素材が主となります。
白い歯の素材としては、内側に金属の裏打ちのあるメタルボンドと、セラミックだけでできているオールセラミックスなどがあります。
●アバットメント(支台部)
インプラント体の上に取りつけられる部分で、セラミッククラウン等の上部構造を支える役割を果たします。通常チタンかチタン合金製ですが、審美性に優れたセラミック製のものもあります。
●インプラント体(歯根部)
直接、歯槽骨の中に埋められる部分で、チタンかチタン合金で作られています。太さは約4mm、長さは約1cm位です。

上顎洞底挙上術(サイナスリフト)について

 インプラント義歯の場合には十分な顎堤(歯槽骨)がなければインプラント体そのものの安定が悪くなります。このような状況が上顎の臼歯部にみられる場合に歯槽骨を上顎洞という副鼻腔側に作らなければなりません。口腔粘膜を切開し、歯槽骨を増やしたい側の上顎の骨を削り、上顎洞という副鼻腔に穴を開けます。上顎洞は粘膜によって覆われているので、その粘膜を剥がした後に挙上し、粘膜と本来の上顎洞底部骨との間に人工骨を填入します。骨造成の成果は CT 等で数ヶ月後に判断します。術後に鼻出血がみられるかもしれません。また上顎の骨には知覚神経が走っておりこの神経がしびれる可能性が若干あります。その際には術野側の頬や上唇に知覚麻痺が生じます。人工骨が感染した場合に炎症が波及すると副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)を引き起こす可能性も挙げられます。この場合には術後しばらくしてから鼻水、鼻づまり、頬の脹れや痛みを伴いますのですぐに知らせてください。最悪の場合は感染した人工骨を除去することがあります。また人工骨は一旦生着してからもある割合で吸収する可能性がありますので場合により再度骨造成術を行うこともあります。術後は硬い食物の摂取を避け、入れ歯をはめてよいかどうかは医師に相談してください。しばらくは術野側の頬に物があたらないように注意し、また食べかすが創部に溜まるのは大変不潔ですので医師の指示通りに歯磨きを必ず行ってください。その他の異常を感じた場合にはすぐにご連絡ください。

上顎洞底挙上術(サイナスリフト)症例

従来の治療法との比較

ブリッジ

欠損部の両隣の歯を削って支柱にし、歯のない部分に橋(ブリッジ)をかけ固定します。

特徴固定式であるため装着しても違和感があまりない。
人工の歯の材料を選択することにより天然の歯と遜色のない審美的な修復が可能。
留意点ブリッジを支え、固定するために、たとえ健康な場合でも両隣の歯を削る必要がある。
支えになる歯には大きな力がかかり、将来的にその歯を失うことの原因となる場合がある。
大きな欠損部や隣接する歯がしっかりしていない場合は適応できない。
ポンティック(ブリッジの橋の部分)の下部の歯肉との間の部分に食べ物カスがつまり、口の中が不衛生になりやすい。
約10年後には30~50%が再治療が必要となる。
治療費保険適用材料を使用する場合はその保険点数内。
使用材料による保険適用外のものは自由診療となり高額となる場合もある。

義歯(入れ歯)

スクラスプというバネを健康な歯にひっかけ欠損部に人工の歯と歯茎を固定する方法です。

特徴ブリッジでは適応できないような大きな欠損に有効。
ブリッジのように健全な歯を削らずに補える。
取り外し可能で清掃しやすい。
留意点噛む力が健康な状態に比べて30~40%くらいになる。
取り外して手入れをする必要がある。
すぐにガタつきやすい。
口の中に違和感を感じやすい。
食べ物が挟まって口の中が不衛生になりやすい。
約5年後に同じ入れ歯を使用できる可能性は40~50%である。
治療費保険適用材料を使用する場合はその保険点数内。
使用材料による保険適用外のものは自由診療となり高額となる場合もある。

インプラント

欠損部の骨に穴を掘り、インプラントを植え込みます。骨とインプラントが固定するのを待ち、インプラントを土台として人工歯を作成します。

特徴天然歯のように顎の骨に固定するので、違和感がなく噛むことができる。
噛む力は天然歯の約80%回復することが出来るので、固いものを噛むことが出来るようになる。
隣の歯を削る必要がない。
見た目が天然歯に近い。
留意点インプラントを顎の骨に埋め込む手術が必要。
全身の疾患がある場合には治療できない場合がある。
インプラントを維持するためには十分な口腔衛生の管理と定期的な検診が必要である。
治療期間が長い。
約10年残存率は90%以上である。
治療費インプラントは、保険適用外であるので、自由診療となる。
手術の難易度、埋入本数等により必要な費用が算定される。

インプラント義歯の治療の流れ

インプラント治療にかかる費用

初期診断料(CT、模型、分析代)21,000円
インプラント1次手術代105,000円/1本
インプラント2次手術代105,000円/1本
歯型印象・仮歯代無料
上部構造代105,000円/1本
骨造成術150,000~300,000円
(症例、部位による)
全身麻酔代105,000円

*埋入後1年以内の脱落に関しては無料でやり直し

顎の骨にしっかりと固定されるインプラント治療なら人前でも口元を気にせず、食事や会話を楽しむことができます。インプラント治療で日常生活の楽しさを取り戻して見ませんか?

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