日本二分脊椎・水頭症研究振興財団

 

 

●平成11年度 夏の研修会 抄録

   平成11年8月28日
   東京慈恵会医科大学


 


 


水頭症の治療:シャントに関わる問題点


順天堂大学 医学部脳神経外科 助教授
新井一助

司会
東京慈恵会医科大学 脳神経外科 教授

阿部俊昭


抄録:水頭症とは、髄液が脳室内に過剰に貯留し、脳室の拡大と頭蓋内圧の亢進を来たしたものをいう。二分脊椎に伴うものや未熟児の脳室内出血に続発するものなど水頭症の原因は様々であるが、治療に関してはその原因を問うことなくシャント手術が最も有効な方法となる。シャント手術は確立された手術法であり手術自体の危険度は低いが、シャント感染やシャント機能不全などその合併症の頻度は決して低いものではない。本発表では、これらの合併症を中心にシャントにかかわる様々な問題点について解説する。

 


 


脳障害と知能の発達について


国立精神・神経センター武蔵病院臨床検査部 部長
高嶋幸男

司会
東海大学 医学部脳神経外科 助教授

大井静雄


抄録:新生児の虚血性脳障害では、未熟な脳の大脳白質に障害が起こりやすい。大脳白質は大脳皮質と他の神経核との線維連絡路に相当し、白質障害では連絡路が遮断される。最近大きな問題である脳室周囲白質軟化症(PVL)では、痙性の運動麻痺が主である。しかし、白質軟化が広範であると、知的発達障害も伴う。大脳皮質の神経細胞は出生前から出生後に急速に発達する。広範型のPVLでは大脳皮質の神経細胞の発達は部分的に遅れるが、発達の過程では、脳の可塑性も大きく、早期のハビリテーションは重要であると思われる。

 


 


排尿排便障害の対策について


順天堂大学 医学部小児科 講師
大城清彦

司会
東京女子医科大学 脳神経外科 助手

上川秀士

 


 


脊髄空洞症の治療


東京慈恵会医科大学 脳神経外科 教授
阿部俊昭

司会
順天堂大学 医学部脳神経外科 助教授
新井一助

 


 


褥瘡の予防と治療


千葉県こども病院 主任医長
宇田川晃一

司会
神戸・新須磨病院 院長
澤田勝寛


抄録:褥瘡に対し形成外科では主に外科的な治療を担当することが多く、褥瘡自体は形成外科の治療対象としてはそれほど珍しいものではありません。しかしながら褥瘡の治療には外科的な治療そのものよりも術後の再発を含め発症を予防することが非常に大切です。このことを踏まえて、褥瘡の予防と治療について、千葉県こども病院で経験した二分脊椎患者の褥瘡治療の経過もお見せしながらお話したいと思います。

 


 


ラテックス・アレルギー


国立小児病院 アレルギー科 医長
小児医療研究センター 研究室長

赤澤 昇

司会
神戸・新須磨病院 脳神経外科
ガンマナイフ治療センター 医長

浜崎昌丈


抄録:天然ゴムでできた医療用具、おもちゃ、日用品にふれることによって、皮膚が赤くかゆくなったり、鼻水、咳が出てきたり、目がかゆくなったり、時にはアナフィラキシー・ショックをおこすのがラテックスアレルギーです。日頃から、天然ゴム製の医療用具を使用する人は注意が必要です。ラテックスアレルギーの症状、なりやすい人、検査方法、予防方法と対策そして医療機関での対応について解説します。

 


 


神経管異常の予防:妊娠時における葉酸摂取


横浜市愛児センター 所長
横浜市立大学 客員教授

住吉好雄

司会
日本二分脊椎・水頭症研究振興財団 会長
松本 悟


抄録:葉酸は抗貧血作用のある水溶性のビタミンBの一種で、体内で代謝され、還元型のテトラヒドロ葉酸は細胞増殖、成長に不可欠なビタミンである。葉酸代謝と中枢神経系の異常と関係があることは、古くから知られていた。イギリス医科学研究所ビタミン研究グループの1983〜1991年の8年間にわたる研究の結果、一日4mgの葉酸投与で神経管欠損症の72%は予防可能であることを立証・報告し、以後先進国で使用されている。

 



付:Album


中央講座


懇親会


奥村智恵子さん
(日本二分脊椎症協会)

山下泰司さん
(日本水頭症協会準備室)